Chrome Remort Desktop でリモート・シャック
図 Desktopをまるごとリモート、WSJT-Xで遠隔運用中の様子
FT8やJT65運用のメリットの1つに「リモート環境と相性がイイ」という点がありますよネ。やり方は簡単で、普通にリグ・コントロール・ソフトとWSJT-Xなどの狭帯域デジタルモードのアプリ、CWで運用したいならDSCWのようなCWソフトをセットアップしてPCの遠隔操作アプリでPC自体をまるごと遠隔操作する、という環境を作ればことが足ります。
ワタシ自身、かつてはVNC、最近まではTeamViewerを使っていたのですが、このほどGoogleのChrome Remort Desktopに入れ替えました。メリットは、TeamViewerで出てくる「商用利用なら買え」が出てこない(私は商用利用ではない)、「Chrome Remort Desktopのほうが軽い」、「至ってシンプル」そしてChrome Desktopでも「遠隔操作される側のPCの音声が聞こえる」からです。
Ghrome Remort Desktopデメリットは、「リモート中です」の表示が出て消せないこと、音声モニタの切り替えなど「細かい設定ができない」ことぐらいでしょうか。
Chrome Remort Desktopのやり方について備忘録を兼ねてポストします。
■ 遠隔操作する側とされる側に Chrome Remort Desktopアプリをセットアップする
セットアップ手順概要
(1)Google Chromeをセットアップしてgmailアカウントを取得
http://google.co.jp
(2)そのGmailアカウントでGoogle Chromeをログインさせる
ChromeをGoogleアカウントと紐づけさせる設定を行います。
(3)アプリを追加
Chrome Remort Desktop でググると出てきます
(4)アプリを起動
chrome://apps/ とURL入力覧に入力すると一覧に出てくるので起動
(5)マイコンピュータの「利用を開始」をクリック
するとソフトのダウンロードとセットアップを促されるのでセットアップ
(6)マイコンピュータの「リモート接続を有効にする」をクリック
するとPIN番号の設定を促されるので6桁以上で入力(数字だけでもOK)
リモートするパソコン(リモートされる側ではない)ならこの作業は不要。
■ リモートするとき
(1)chrome://apps/ を開く
(2)Chrome リモート・デスクトップを開く
(3)マイコンピュータにリモート可能なPCの一覧があるのでそこから選ぶ
(4)リモート開始
■ セットアップのツボ
・遠隔操作する側、される側全てにChrome Remort Desktopをセットアップする
・遠隔操作する側、される側全て同じGoogleアカウントでログインする
・Chrome Remort Desktopのマイコンピュータ機能で使う
・GoogleアカウントへのログインはChrome自体もログインさせる
■ 動作環境の細かい点
・リモートする側での音量は、リモートされる側の音量調節と連動する
当然、リモートされる側のスピーカも鳴る、鳴らしたくない場合は、外部スピーカをつないでMuteしておく。
・Google Remort Desktopは常駐する
遠隔操作される側のパソコンの電源をオフにしたり、スリープになると遠隔操作できなくなる(これはTeamViewerでも同じ)
・音声は一方通行(これは確認中)
遠隔操作する側からされる側に音声は送れない…、これができればPhoneでもリモートオペレーションができる可能性があるのですが、経験上、実際にオペレートするときの音声伝送は専用ソフトが良いです(例えばJVC Kenwoodの ARVP-10R/-10Hなど)
■ まとめ
このパソコンまるごと遠隔操作的なシステムを構築しておくと、リグコントロール・ソフトがあってPTT操作がソフト上でできるのなら、PCとリグをつなぐインターフェース(FT-991やIC-7100、その他最近の大型固定機などPCとUSBやLANでつなぐ無線機はインターフェースが不要。必要な場合はYAESUのSCU-17がお勧め)を用意すれば「無線設備の遠隔操作」が簡単にできます。
あとはインターネットで音声を伝送する手段でしょうか。私自身、以前はSkypeを使っていましたが、ICOMのRS-BA1、JVC Kenwoodのそれで音声系のオペレートを行えたのでそれを使っています。
音声の遅延も遠隔操作される側に光ファイバ回線を引いておけば、音声の遅延もネット回線とマシンパワーの向上の恩恵を受けられたからか、あまり気にならないレベルです(あくまでも私の環境下で)。光ファイバもある時期、国策でそこら中に引かれたようなので、結構なところまで伸びているようです。
本当にイイ時代になりました。
■ アパマン・ハムの苦労とおさらば?
最近は別宅シャックを用意するのも夢ではなくなっているのではと思います。というのも、現在、少子高齢化、地域産業の衰退、首都圏への一極集中で郊外では空き家増加が問題視されています。嘆かわしいことも多いのですが、郊外の土地が意外とお求めやすい。郊外でしたら固定資産税評価額や路線価のほうが高い地域がザラでしょう。いる場所から3時間以内に行ける場所に遠隔シャックを作って遠隔オペレートで遊ぶのもアリかもしれません。実家の利用もアリでしょうし。
現実的な話としては、更地に建物を建てようと検討し始めると建築コストが安くはないことに気づきます。建物本体のほかにライフラインを引き込んだり、郊外は下水が整備されていなかったりして浄化槽を設置が必要なところも多いです(補助金が出たりしますが)。
でも、シャックと割り切って更地にプレハブ(軽量鉄骨)、ログハウス、トレーラー・ハウスを検討してみると意外と安くできちゃうのでは、と思っています。中には自作しちゃう人もいるようです。